Cat5ケーブル 【カテゴリ5ケーブル】 Category 5 cable

概要

Cat5ケーブル(カテゴリ5ケーブル)とは、銅線を撚り合わせて作られる通信ケーブル(ツイストペアケーブル)の電気特性グレードを定めた規格の一つで、100MHzまでの帯域を用いて通信するケーブルの仕様を定めたもの。

LANケーブルなどに使われるツイストペアケーブルは、電気的な特性から「カテゴリ」と呼ばれるグレードに分類される。カテゴリごとに満たすべき特性の標準規格が定められており、高いカテゴリほど外部からの干渉に強く高い周波数での伝送が可能となる。

Cat5ケーブルは、20MHzまで対応できるCat4ケーブル(カテゴリ4)を改良した規格で、100MHzまでの周波数に対応できる。1995年に業界団体TIA/EIAおよびANSI(米国国家規格協会)によってTIA/EIA-568-Aとして標準化された。

100Mbpsで通信できるファストイーサネットFast Ethernet)のメタル回線向けの規格である100BASE-TXでよく使われるほか、ATM(Asynchronous Transmission Mode)やCDDIなどでも用いられる。Cat4以下の各規格向けの用途にも使用できる。

2001年に改良版のCat5eケーブルEnhanced Category 5)が発表され、1GbpsのギガビットイーサネットGigabit Ethernet)にも対応したことから、以降はLANケーブルなどの製品ではCat5e仕様のものが一般的となっている。

(2022.2.3更新)

イーサネットの用語一覧

Fast Ethernet規格

名称ケーブル距離全二重規格
100BASE-T100BASE-T2UTPカテゴリ3以上(4芯)100mIEEE 802.3y
100BASE-T4UTPカテゴリ3以上(8芯)不可IEEE 802.3u
100BASE-TXUTPカテゴリ5以上
100BASE-VGUTPカテゴリ3以上(8芯)不可-
100VG-AnyLANIEEE 802.12
100BASE-FXマルチモード光ファイバー(2芯)2kmIEEE 802.3u
100BASE-SX550m-
100BASE-BX10シングルモード光ファイバー(1芯)40km
100BASE-LX10シングルモード光ファイバー(2芯)10km

Gigabit Ethernet規格

名称ケーブル波長距離規格
1000BASE-TUTPカテゴリ5以上-100mIEEE 802.3ab
1000BASE-TXUTPカテゴリ6以上--
1000BASE-X1000BASE-CX2芯平衡STP-25mIEEE 802.3z
1000BASE-SXマルチモード光ファイバー850nm550m
1000BASE-LX1350nm550m
シングルモード光ファイバー
(2芯)
5km
1000BASE-LH50km-
1000BASE-LHA70km-
1000BASE-LHB150km-
1000BASE-ZX1550nm70km-
1000BASE-EX1310nm40km-
1000BASE-LX1010kmIEEE 802.3ah
1000BASE-BX10シングルモード光ファイバー
(1芯)
上り1310nm
下り1490nm
1000BASE-PX10
1000BASE-PX2020km
1000BASE-KX電子基板上の配線-1mIEEE 802.3ap
* 1000BASE-BX10は単に1000BASE-BXとも。
* 1000BASE-Xをすべての光ファイバー系規格を含む総称とする場合もある。